医院運営の大切な考え方QSC クレンリネスでバランスを!

QSCクレンリネスの考え方

クレンリネスを始められて院内をキレイにしたい!
そう考えて下さる歯科医院様が全国で増えつづけています。
本当にうれしい状況になってきました。

 

『院内クレンリネス講座』を実施して下さる前はクレンリネスとはどういうものなのか深くはご存じない状況であることもあります。

「掃除方法を知れば医院がきれいになる!」
と思って下さり講座を受講されることも少なくありません。

 

しかし、講座の内容が進んで行くとともにこれまでの考えが少しづつ変化して行かれます。
クレンリネスはおそうじ方法を強化するという事ではない。
それに気づかれるからです。

 

私もクレンリネス講座を始めたころは
「ノウハウ講座をすれば歯科医院の皆さんがしっかりと清掃を行って下さり、どんどんキレイになっていく!」
と思っていました。

 

しかし、次第に気づきます。

 

 

「ノウハウだけではできない・・・。」

 

 

では時間を作ればいい話しなのかというと、それだけではむずかしい。
なぜならそういうカタチにすると、
「いつまで清掃のために時間を作り続けるのか。」
というお考えが出てくることは容易に予測できます。

 

そこで、皆さんの医院を理想のカタチにするために、ある考え方を提案してみる事にしました。

 

 

 

QSCの考え方

 

飲食業界にはQSCという原則があります。

 

飲食のQSC

 

飲食業界の基本的理念となっているこの原則ですが、

 

これを最初に提唱したのは、1955年にアメリカで初のハンバーガー・チェーン「マクドナルド・システム」を創立したレイ・A・クロックです。
マクドナルドの最初のお店がオープンした年、「QSC」を具体的に実践するためのオペレーション・マニュアルが作成され、関係者全員に配布されました。

 

以降、その伝統は強く引き継がれ、現在では飲食業界全体の常識ともなっています。

 

 

「やれることは全部やった」どん底を味わったマクドナルドが急速に業績回復できた理由」というPRESIDENT Online2016.12.18の記事にもある通り、いまでもQSCの3つの要素は店舗運営の最も基本で最も重要な原則とされています。
詳しくは下のリンクから記事をお読みください。

SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
SankeiBiz(サンケイビズ)は産経新聞グループの経済情報サイトです。「仕事・キャリア」「自分磨き」を主なテーマに、ニュースはもちろん、気鋭の経営者や識者が執筆する連載・コラムなどビジネスパーソンの知的好奇心を満たすコンテンツをご覧ください。

 

 

マクドナルドでは

「Q」「S」「C」どれも欠けることなく、高いレベルで提供して初めて、Valueというお客様満足につながる最高の価値が提供できる

という考え方を原則として非常に大切にされています。
これが

「QSC+V」理論

とされています。

 

マクドナルドのホームページにはこのQSC+Vをビジネスの基盤とする企業理念が記されています。

レストラン・ビジネスの考え方

 

これはマクドナルドや飲食業だけに適応する原則ではありません。
すべての業種、すべての産業にとって採り入れる価値のある考えかたです。

QSCのSはServiceですが、サービス≒マーケティングと考えるとすべての業種にそのままハマります^^。

 

QSCをどう活かすか

 

この貴重で有効な考え方を皆さんの医院に根付かせ実践して行けば患者さんにとって、安心安全で信頼する医療施設となる事は間違いありません。

 

では、これを実際はどのように活かしていくのかという話になります。

 

歯科医院の現場でQSCを理解して頂き、クレンリネスの取り組みの開始をきっかけに考え方をそちらへ向けて進めて行かれている医院様は少なくありません。

そしてそうする事で

 

「いつまで清掃のために時間を作り続けるのか。」

「環境整備にはコストがかかる」

 

というような、環境に対して、片手間にやれればいい、できたらやるもの、という運営には決してならない、バランスのよい運営になります。

 

実際は清掃のために時間を作るのは、今迄の汚れを落とすための〝清掃段階〟であり、キレイになった状態をキープする〝クレンリネス段階〟ではほとんど時間は取りません。
また、それも〝時短を進める〟カイゼンを強くお勧めしています。

 

もし現状がこうなっていたなら

 

クレンリネスの取り組みの一要素として、クレンリネスリーダーの衛生士さんにご自分の医院で院内セミナーをして頂いた事があります。
今もすべての医院のリーダーさんにオススメしていることです。

 

そのなかでこういう問題提起がありました。

 

歯科のQSC

 

現在、歯科医院はこのようなバランスになってしまっています。
※その理由もシビアに解説されていましたがこのブログの内容とは合わないので割愛します。
このバランスを修正し、よりよい環境を作り上げないと、
私たちが目指す予防中心の歯科医療は為し得ません。
クレンリネスと歯科の考え方は全く同じです。
予防を目指す歯科医院にとってクレンリネスをしないという選択肢はないのです。

このように語られました。

 

歯科での環境の重要さ

 

デンタルクレンリネスプロジェクトではマクドナルドが65年間原則としてきたQSCの概念をぜひ採り入れて頂きたいとお話しして来ました。

 

Q・・・クオリティ S・・・サービス C・・・クレンリネス

 

これを歯科医院におき換えると下の図のようになると思いますがいかがでしょうか。

歯科のQSC

 

最高の治療 + 正確でありかつ思いやりあふれる対応 + 医療の場ならではの徹底した清潔感

 

これまで、時間でも、教育でも、しくみでも、環境を整える事の比率が低くなっていたとするなら、この機会にバランスを見直してみてはいかがでしょうか。

 

環境をきれいにし続けるための、清掃やクレンリネスの知識

業務の流れの中での時間のマネジメント

QSCのバランスを保つための職種間の協力

 

現場で力を発揮する皆さんが落ち着いて気持ちよく働ける環境、そしてそこを訪れる方々が安心して治療を受ける事ができる環境。

 

全国を回る中で、「診療中アポなし抜きうちチェック」をしています。

ある時、対応して下さったクレンリネスリーダーさんが私に

「小林さん、見て下さい!!(^^)」
と、ピカピカに磨き上げられた消毒室のシンクを指さされたことがあります。

 

 

ご自分の医院の環境に自信が持てるを通り越して、私に自慢される(笑)

 

最高の瞬間です。

 

それは、クレンリネスを深く理解し、これまでの習慣やしくみに積極的にクレンリネスを採り入れて下さった院長先生と、本来面倒なことに対して真摯に熱心に取り組んで下さったスタッフの皆さんが生み出された宝なのだと思います。

 

 

 

QSCの原則をキーワードとして進めて頂ければ、必ずそんな環境を作って頂けると思います。

 

 

 

最後に、『院内クレンリネス講座』後に頂いた、医院全員の方のご感想の中から、院長先生の言葉をご紹介します。

クレンリネスをビジョンに