歯科ユニットのピンポイント清掃。ユニットのホルダーは汚れてませんか?

ユニットのクレンリネス ハンドピースホルダーユニット

2010年から歯科医院のクレンリネスをお伝えしていますDCP小林です。
今回はかなりピンポイントなHow-Toです!
医院全体の清潔感を作って従事者の皆さんと患者さんが気持ちよく過ごせる環境を作って行くデンタルクレンリネス!
とはいえ、細かなところも皆さん気になりますね。

今回は、ハンドピースのホルダーの手ごわい汚れを落とします!!

ハンドピースホルダーの汚れ

何の汚れ? ハンドピースの金属が擦れてついた物かな?と予測できます。

 

まずはアルカリクリーナーで敵の様子をさぐる。

「MFC注)+水」のあとは弱アルカリクリーナーを試します。
注)MFC=マイクロファイバークロス(マイクロファイバークロスが長いのでMFCと表示する事が多いです。クレンリネスミーティングの発表者さんもDCPの習慣に染まり、いつの間にかその表現になります笑)

 

いつも言いますが、「どんなクリーナーを使いますか?」から入りません。
どんな時でも、まずはその汚れが何によるものなのかを考えます。
考える手順の一番目は、水で濡らし固絞りしたマイクロファイバークロスで拭いてみる事ですね→基本中の基本。
今回はそれを試して全く変化がなかった次の段階から、というテイで始めます。

 

汚れがどのような性質かわからない時の手順は、

1,MFC+水
2,MFC+中性洗剤(食器用洗剤)
3,MFC+アルカリクリーナー

やさしい物から順に試していきます。

これで変化がない、わずかな変化しかない場合は次の段階に入ります。

着色やシミのようであれば次亜塩素酸ナトリウム系の洗浄剤、固着汚れのようであれば研磨剤(コンパウンド)を試していく、などになります。

 

今回の場合、見た目で「MFC+水」や「MFC+中性洗剤」は効果がないと予測できましたので、アルカリクリーナーで拭き清掃をしてみます。

アルカリクリーナーで除去できる汚れは多いですので、水が使える対象面の場合はまずこれを行ってみます。
これで解決できる汚れは意外に多いのでまずは試しましょう。

擦れて金属が付いている、そしてクリーナーで反応がない・・・・
そこから考え、次に何を試すか、です。

作戦2に入ります( ̄^ ̄)ゞ

研磨で取れるかどうか試してみる

対象面が樹脂(プラスチック)や金属の場合、研磨も試す価値アリです。

今回使ったコンパウンドは99工房の「コンパウンドトライアルセット」です。
SOFT99:99工房 コンパウンドトライアルセット
この3本セットがあれば医院のいろんなところで汚れ落としに使えて便利です。
今回はグリーンの1番、細目を使いました。
この中では一番荒いものですが、このホルダーの中でしたらこれだけで仕上げられます。

 

コンパウンドをつけたMFC(マイクロファイバークロス)でこすって行きます。
この時は同じ部分を各30回こすりました。

汚れが取れたハンドピースホルダー
いい感じに汚れが取れてきています。

ただ、指にMFCを巻いたカタチで擦る作業では、指が当たっていない、届かない箇所の汚れは取れません。
この場合はホルダーの底面などになります。

汚れに届かせて落としたい!

そこで!

プラスチックスパチュラ登場!

木製の細いヘラや、割り箸を斜めにカットしたものを私はよく使うのですが、院内にある物の方が皆さんが手早く作業ができるので、プラスチックのスパチュラを今回は使いました。
金属のスパチュラですと対象面を傷つける恐れがあります。

プラスチックスパチュラにMFCを巻き付け、コンパウンドを多めにつけて先で汚れの部分をていねいにこすります。
当たっているかどうかがハッキリと目視できませんので、様々な角度からこすり、時々汚れが取れて行っているか確認しながら行って下さい。

仕上がり

ハンドピースホルダー仕上がり
こんな感じに仕上がりました。
完全ではない(底面に少々汚れが残っている)ですので、実際にやる時はもう少し時間を使い、完全に仕上げます。

せっかくですから、汚れていない部分も含めてホルダー全体に研磨をかけておくとツルツルになって気持ちいいですよ。

この作業は〝清掃〟です。
汚れている事に気が付いて作業をするのは〝清掃〟
このような作業をタイミングを決めて繰り返すのは〝定期清掃〟
となります。
どちらも汚れてから行う作業で、非常に効率が悪い考え方・行動です。
また、〝気になるまで手を付けない〟状態では、医院環境全体を適正にできません。
ぜひクレンリネスの意味を知って頂き取り組んで頂ければと思います。
クレンリネス導入医院はこのような作業を最初に済ませ、日々の一拭きでキレイを維持されています。

 

これでホルダーにいつもつく汚れの除去方法がわかりました。

大切な事は、
ここから〝クレンリネス(予防清掃)〟にして行く。
です。
これまで歯科医院の院内の多くの箇所が汚れ、清掃が大変だったのは、毎回〝清掃〟で終わってしまうからでした。
汚れの正体がわかり、退治の仕方がわかれば、予防はできますね。

一旦落とした汚れは、もうそこの〝清掃〟をしないよう、日常業務の中に予防清掃として採り入れて下さい。

それができると、時短や省力化をしながら

「いつもキレイな歯科医院」

になって行けます。

まとめ

どんな汚れに対しても、

その汚れは何ですか?

ここから始めるのがデンタルクレンリネス流ですね。

 

そしてまずは「MFC+水」で汚れが落ちないか試す。
次にアルカリクリーナー。
最後の手段で研磨。

この考え方で進めるとだいたいの事は解決するハズです。

 

今回はピンポイントな汚れへのアプローチでしたが、最後に大切な事を。

このように細かな事を見逃さずていねいに対処して行く事はとても大切です。

ただ、ここに目を向ける前に、やっておきたい前提があります。

大切な考え方
歯科医院のクレンリネスの基本はいつもお伝えするように、
 1,ホコリがない事
 2,水による汚れがない事
 3,薬剤汚れがない事
 4,整理整頓
これがベースになります。
まずは日々、これらの事を徹底して、
誰もが気持ちのいい環境
ここを目指しましょう!

 

クレンリネスで最も大切な事は、現状を把握して問題点を認識する事です。
クレンリネスの導入手順②現状把握