歯科医院では水をよく使いますのでシンクや流しの清掃は日常的に必須項目ですね。
日々使うステンレスシンクには材料や薬品汚れ、水垢などの取れにくい汚れがつきます。
きれいな状態を維持するための基本は洗う事です。
シンクを洗う時に使うのはやっぱりスポンジ。
市販の家庭用スポンジには大変多くの種類があり、医院様ごとにもさまざまなスポンジを目にします。
歯科の水回りは取れにくい汚れがつきやすく、それをなんとか取ろうとしてこすり、中には傷が目立ってしまっている場合も・・・。
クレンリネスに取り組まれるようになると、傷をつけないように、やさしくかつしっかりと汚れを落としたい、という気持ちが生まれてきます。
気持ちが生まれたら、次にあるといいのは知識ですね。
そこで今回はどのようなスポンジを選べばそのご希望がかなうのか、考えてみたいと思います。
歯科医院シンク洗浄に適したスポンジは?
歯科専用スポンジ、というものは見かけません。
通常は家庭の食器用スポンジを使われることになると思います。
シンクを洗う目的は、
■水滴による水あかを防ぐ
■材料や薬品の汚れが取れにくくなる前に落とす
■手洗いによる汚れ(皮脂やハンドソープの材料)が取れにくくなる前に洗う
といったところでしょうか。
硬いスポンジでゴシゴシは、ない。
特にクレンリネスではその日の汚れはその日のうちに対処するという事が鉄則です。
クレンリネスに取り組まれている医院には長期間たった汚れはありませんので、スポンジに研磨力は必要ないですね。
もし硬い汚れが定着してしまう事があっても、硬いものでこする、削るという事はクレンリネスを実施している皆さんは優先順位の最後と認識されていると思います。
シンクに傷がつくことが予測されても硬いスポンジでゴシゴシこする、という選択肢はないですよね。
清潔さを保ちやすいもの。
他に要件を考えると、
清潔さを保ちやすいもの。
ということがあります。
これには何が必要かと言うと、水切れがいいという事ですね。
その要件は必要です。
スポンジにはどんな種類がある?
食器用のスポンジは多くが
スポンジ面・・・お茶碗やコップなどを洗う
薄く硬い不織布面・・・焦げ付きなど硬い汚れを落とす
と言う形のものがほとんどです。
スポンジ製品の材料は、
スポンジ
・ナイロン
・ポリウレタン
・ウレタン
スポンジがネットに入っているタイプのネット
・アクリル
・ポリエステル
・ポリプロピレン
だいたいこのようなもので、目的によって素材選びに工夫をされています。
スポンジがネットに入っているタイプ。
ネットに入っているスポンジには、ネットの素材にポリエステルとアクリルが組み合わされている製品があります。
これは
ポリエステル・・・汚れをかき取る力
アクリル・・・汚れを拭き取る力
とされています。
2つの力があるので「ハイブリッド」という名前になっています。
ただ、このようにネットに入っているタイプは乾燥しにくいという弱点があります。
清潔に保つには水切れのよさ、乾燥しやすさが大切ですので、どちらかといえば避けたいタイプと考えます。
また、ネットが破れやすいという難点もあります。
アクリル不織布つき二層タイプ
次に、不織布面(スポンジの硬い面)がついて二層になっているタイプ。
スポンジ部分はほとんどの製品がウレタン製です。
特徴を決めているのが不織布面で、その素材にはナイロンがよく使われています。
違いがあるのは不織布面に研磨剤がついているかどうかです。
そして消毒室シンクに適したスポンジは
研磨剤が使われていない。
研磨剤が使われているものはシンクに傷が付き、その傷はコンパウンドなどを使って研磨しても消えないほどの深さになる。
2、
水の切れがいい。
乾きやすい事で清潔に保つ事ができる。
この2点がそろっていれば大丈夫です。
よく見かけるステンレスの傷は研磨剤の入った不織布面で強くこすった事によるものです。
クレンリネスできれいな状態をキープするとき、そのような方法は必要ありません。
このスポンジの不織布面は、ナイロン素材に研磨剤がついているものです。
一層タイプ
最後に一層タイプを紹介します。
多くのスポンジには柔らかく保水性のあるウレタン面と、硬い面=不織布面があると説明しました。
主に不織布面はこびりついた汚れなどを取るための硬い面です。
硬い面って、必要ですか?
硬いものでこすって取るという事がなくても対象物をきれいにすることはできますので
ほとんど必要ないのではないかと思います。
硬い不織布面がありませんので持ちやすく、対象物の表面にフィットしやすいです。
市販のスポンジ、ネット通販のスポンジを見ると数えきれないほどの種類があります。
お気に入りのスポンジを見つけるには、ひとつひとつ試して行けたらいいのですがそうもしていられません。
そんなにスポンジの事を調べなくても、歯科医院で使うために必要なことを備えていればいいですしね。
スポンジについてもっと詳しく知りたい方はそう言ったサイトがありますのでそちらを見て頂ければと思います。様々なキッチン用スポンジをタイプに分けて説明しているサイトがありました。
スポンジについて詳しく知りたい方に参考になります。
オススメスポンジ
歯科医院で使うスポンジで最適なものを考えます。
スコッチブライト ハイブリッド貼り合わせスポンジ(2層タイプ)
こちらは、上で説明した通りスポンジ面がウレタン、不織布面が研磨粒子つきナイロン。
研磨粒子がついているナイロンですが、シンクのステンレスに簡単に傷がつく事はなく、安全であると言えます。
また、水のキレも良好です。
「不織布面は必要ですか?」
と言いましたが、
不織布面がないと落ち着かないという人もあると思いますので(笑)
オススメの一つに挙げます。
亀の子スポンジ(1層タイプ)
1、持ちやすい大きさと形状
2、水のキレがよく衛生的(銀イオンが練り込まれている事もGood)
3、不織布面がなくても汚れ落ちがいい
4、不織布面がないため柔らかく対象物にフィットする
これはオススメです。
なにより、あの亀の子たわしのメーカー製ですので^^。
サンサンスポンジ(1層タイプ)
人気商品ですね。
ポリウレタン製ですが品質のいいものを使っているようで、ネットでの評判は「信じられないほど耐久性がある」「ヘタレない」「水の切れがよく衛生的」「オシャレ」「薄く圧縮してあるので在庫がかさばらない」
といった、とても好評なイメージです。
最初は圧縮されて平らになっていますが、
封を開けて使い始めるとどんどんふくらんで来ます。
実際に試してみたところでは、
評判通り、泡立ち、水切れともに素晴らしく、質のいい素材を使っているので手触りがいい。
また、1層なのでほどよく柔らかく、対象物にしっかりフィットする、という感想です。
なにより、見た目が上品な印象。
オススメです。
ビビルほどヘタレないようです^^。
ニューバイオシルソフト(2層タイプ)
イチオシです。
■手に持った感触はピッタリフィット
■適度な硬さ柔らかさ
■不織布面が研磨剤なしのアクリルで汚れ落ちがいいけど傷はつけない
■水の切れは1層タイプ程ではないが良好。
おさかなスポンジ(2層タイプ)
カワイイのでオススメです(笑)
ではなくて、こちらも使えます!
スポンジ部分は硬さの違うポリウレタンが2層。
このスポンジを使ってシンクを洗う時、少し硬い白い部分が柔らかいオフホワイト部分を支えている感じが手に伝わってきます。
不織布部分は研磨剤を使っていないナイロン。
これは汚れ落ち性能があり傷はつけにくいという事です。
そしてなによりこの姿・・・・
使うのが楽しくなるようなかわいさ(笑)
清潔感のある色もいいですね。
水切れも抜群です。
↑ 画像をクリックで「あなたの投票で決まる! 「おさかなスポンジ」 “生誕20周年記念カラー”の投票受付をスタート。」のサイトへ。
もう、楽しすぎますよね(笑)(笑)(笑)
はずした方がいいかな、というもの
カネタワシやスチールウールなどの金属はNGです。
硬い汚れを取るために、とにかく硬いものでこする
このような考え方は変えて行きたいですね。
汚れの性質と特性と状態を考えて対処方法を決めて行く
このデンタルクレンリネスの考え方は院内のキレイを行う時、いつも大切にして下されば診療環境を大切にしながらきれいにキープしていく事ができます。
講座の時に、
「とにかくメラミンスポンジでこすり取るという考え方はいったんやめてみましょう。」
とお話ししているのと同じです。
まとめ
歯科医院で使用するスポンジは衛生的に使用し続けられる事が最も大切であることから、ネットタイプや水切れのよくないものは対象外になると思います。
シンクや周辺に傷をつけないため、不織布に研磨剤を含んでいないもの、または不織布がない1層タイプが望ましい。
耐久性はやはり大切。
そのような事を考慮した結果、上の「オススメスポンジ」に挙げました5つのものが参考になると思います。
もちろん、皆さんがいいと思うお気に入りの物を使われたらいいのですが、より適切なものを考える時の参考にして下さればと思います。
歯科医院のシンクまわりのクレンリネス用スポンジの要件。
1、水切れがいいい
2、1層タイプ
3、2層タイプの場合不織布に研磨剤が使われていない
4、耐久性がある
5、かわいい(笑)
改めて記事にしたいと思います。
あと、マイクロファイバークロスはクレンリネスには必須アイテムです。
耐久性
乾燥性
汚れを落とす性能
傷をつけないやさしさ
すべてオーケーです!!
お忘れなきよう(^O^)/