歯科の環境にとってクレンリネスの考え方と行動はとても有効なものです。
クレンリネスに取り組まれる時、どういうイメージや取り組み方をすれば皆さんが理想とする環境整備につながるでしょうか。
そこには初期段階での設定にコツがあります。
環境整備やクレンリネスは、しっかりと行いたいとのお気持ちが強い程、かえって進めにくくなってしまう事もあります。
ここで少し手を止めて皆さんで考えて頂きたい事がありますので、それについて書いて行きたいと思います。
デンタルクレンリネスプロジェクト流の考え方=歯科医院でクレンリネスが効果を発揮してきた考え方をお伝えします。
様々なやり方考え方があると思いますが、もし「それでやってみよう!」と思われたらぜひ取り組んで頂きたいです。
何のためにクレンリネスを行うの?クレンリネスは仕事でしょうか?
歯科医院様で講座を行う時や皆さんとミーティングを行う時にお伝えする事があります。
それは
クレンリネスは目的じゃない
という事です。
「医療施設にとって環境の清潔と清潔感は基本、医院運営の前提」
と考えられる事が多いですし、DCPとしてもその前提には強く共感します。
ただし、クレンリネスを行う事や院内をきれいにすることは「目的」ではありません。
ですが行動のしかたによっては「クレンリネスが目的」になってしまう事があります。
そこで、デンタルクレンリネスを行っていく考え方の基本をお伝えしておきたいと思います。
医院のより良い環境を整える、その時間や手間を最小限にする事で患者さんの治療やケアを行う本来の業務に集中しやすくする。
この事がクレンリネスの最終目的です。
もちろん、
「きれいな医院で気持ちよく働ける」
「患者さんに安心して治療を受けてもらえる」
「環境面でも自慢の医院にしたい」
そんな真摯なお気持ちもとても大切です。
DCPはそれを大切にしながらクレンリネスに取り組んで頂く事に知恵を絞っています。
ただし、「気持ちいい」「安心」「自慢の」が目的になると、時短や負担の軽減がしにくくなる事が考えられますし、実際に目的になってしまい、軌道修正の必要が出てきてしまった例もあります。
最終目的は、
診療に集中できるため、本来業務の時間を大切にするため。
これは忘れてはならない事ですね。
クレンリネスは誰が行うのか。
診療に集中するために、クレンリネスを医院の仕組みにします。
その時必ず皆さん全員が理解しておいていただきたい事があります。
クレンリネスは全員が担当者
という事です。
医院のメンバーは立場や職種、性別、キャリアの違う人たちで成り立っています。
その違いがあるからこそ、いろんな角度で考えたりアイデアを出したりもできます。
全員の協力があれば、壁に突き当たった時でもいろいろな視点から考える事ができます。
実際の例を挙げると、
クレンリネスを始める時にクレンリネスリーダーを決められた。
4名のクレンリネスリーダーで進めて行く事に。
その4名には、衛生士さん、助手さん、マネージャー、そしてドクターが入られたのです。
衛生士さんも助手さんも、それぞれの職種のチーフです。
このようなメンバーでクレンリネスリーダーを構成されると、どのような利点があると思いますか???
考えてみて下さい。
・・・・・・・・・・・。
私はそのリーダーの構成をお聞きして、次に伺ったときに、まずはクレンリネスリーダーのドクターにお伝えしたい事をお話ししました。
「〝いかに汚れを出さずに治療ができるか〟を全ドクターでプロジェクトにしてマニュアル化して行ってみてもらえますか!?」
すると、クレンリネスリーダーさんのドクターは
「わかりました!それ、やりがいありますね!」
と笑顔で言われました。
それを聞いて、スタッフの皆さんも笑顔に。
そんなチームがいいですね。
以前から、レジンや薬液が治療中、フロアーやブラケットテーブルにこぼれてしまう事で〝取りにくい汚れ〟になる事に皆さんが悩まれていました。
それが解決できると、クレンリネスはグッとラクになり、進みます。
ドクターはシンクを洗うとか、キャビネットを清拭するなどよりも、
「汚れを出さずに業務を行う」事を進めて下さると皆さんが非常に助かります。
いかがでしょうか。
クレンリネスを行う時、医院の皆さんが笑顔でできるような取り組み方ができるといいですね。